校内にデジタル・シティズンシップ教育を普及させる4つの方法(2022年7月21日 広島女学院の挑戦)

毎月1回、ゲストとDC研究会のメンバーが語り合う「DCオンラインゼミ」。今回は2022年7月に開催された、第2回オンラインゼミから、広島学院中学高等学校 教務部の 今田 英樹 先生のお話の内容をアーカイブから要約してお届けします。


今田先生からは、同校がこれまでに構築してきたICT機器の環境整備についてのお話をいただいた上で、その導入された端末を通じて学ぶ「情報リテラシー教育」の一環としてデジタル・シティズンシップ教育を取り入れようとしましたが、新しい考え方ということもあってなかなか組織内に広げるには苦労もあったようです。
以下の通り、本ゼミの内容の要約(デジタル・シティズンシップ教育関係)を記載します。詳細や資料などはぜひ本編をご確認ください。(アーカイブ視聴権は、本イベントにお申し込みになられた方全員に配信しております)

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情報モラル教育とICT活用の重要性

整備された環境で学ぶにあたり、今田先生は情報リテラシー教育が重要であることを強調。ICTの普及に伴い、インターネットやデジタルツールを正しく、安全に利用するためのスキルが、今まで以上に求められるようになっているため、教育現場では、子どもたちが情報を適切に取り扱い、インターネット上での適切な行動を学ぶ機会を提供することが重要と指摘しています。

また、デジタル技術の進展に伴い、教師自身の情報リテラシーやICTリテラシーの向上も求められています。今田先生は、教師が自身のスキルを高め、子どもたちに正しい指導を行えるようになるための研修やサポートの必要性を指摘しています。また、従来の「情報モラル」教育では、どうじても不足している部分があることも今田先生は指摘しています。

デジタル・シティズンシップの育成

デジタル・シティズンシップとは、インターネットやデジタル環境での倫理的で責任ある行動を指します。今田先生は、子どもたちにこのデジタル・シティズンシップの概念を理解させ、デジタル世界での自分の行動が他者にどのような影響を与えるかを認識させることが重要であるとされました。

具体的には、次のようなポイントが挙げられています。

1. ネット上での倫理的行動の指導

子どもたちがインターネットを使う際に、他者への配慮やプライバシーの尊重など、倫理的な行動が取れるようにする教育が必要です。これにより、ネットいじめやトラブルを未然に防ぐことができます。

2. デジタル・シティズンシップの実践

子どもたちに、オンラインコミュニティに参加する際の責任感を持たせ、他者とのコミュニケーションを円滑に行うためのスキルを育成することが求められます。

3. インターネットのリテラシー向上

インターネット上の情報を批判的に読み解く能力や、信頼性のある情報源を見分ける力を育成するためのカリキュラムの整備が求められています。デジタル・シティズンシップの一環として、正しい情報の扱い方を教えることで、フェイクニュースや誤情報に惑わされない力を身につけさせることが重要と考えられています。


組織内にどのようにデジタル・シティズンシップの考え方を浸透させていくか?

今田先生がデジタル・シティズンシップを組織内に普及させるために行なったことの概要は以下のような内容でした。詳細はぜひ、動画本編をご覧ください。

1. 教育現場でのリーダーシップと模範的行動

教師やリーダーが模範的なデジタル行動を示すことが、組織内にデジタル・シティズンシップを普及させる鍵。ICTツールを活用する際に、教師が自らの行動を振り返り、生徒に対して倫理的なデジタル行動を示すことが重要。これにより、生徒はデジタル環境での責任ある行動を学ぶことができる。

2. 組織全体のICTリテラシー向上

デジタル・シティズンシップを普及させるには、組織全体のICTリテラシーの向上が必要。教師自身がデジタルツールに精通していることが、生徒に対する適切な教育に直結。教師に対する研修プログラムやサポート体制を強化し、ICTリテラシーを高めることが重要。まず教師がICTツールを自在に活用できる環境を整えることが、生徒に正しいデジタルシティズンシップを教える基盤となる。

3. 明確な指導と倫理教育の導入

デジタル・シティズンシップを普及させるためには、インターネットやデジタルツールの使用に伴うリスクを理解させることが不可欠。プライバシー保護やネットいじめの防止、適切なコミュニケーション方法などの具体的な指導について、組織として体系的に取り入れることが重要。また、教員自身がこうした学びの機会や指導の重要性を認識することも非常に重要になる。

4. 継続的な評価と改善

デジタル・シティズンシップを組織内で広めるためには、継続的な評価と改善の仕組みが必要。導入されたプログラムや方針が実際にどのように機能しているかを定期的に評価し、その結果をもとに改善を行うことが重要。

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